DUNE
 デューン/砂の惑星  監督:デビッド・リンチ

自慢じゃないが、私は南関東一の「DUNE」好きである。デビッド・リンチの作品の中でもデューンが最高だという人間だ。あまり映画に興味の無い人の為に説明しておくと、これは世界的に見てもかなり少数派だ。リンチはこの作品を莫大な制作費をかけて作り上げ、興行的にも評価的にもこの上も無いほど大コケしたが為に、「ブルーベルベット」でカルト作家として復活するまでの間、子供達には死んだ人として話されていたぐらいだ。しかし、一体どういう目をしたらこの映画を酷評できるのか、全く理解に苦しむ。こんなにかっこいいSF映画を観たことが、未だに無い。はっきり断言するが、「DUNE」は世界最高傑作のSF映画である。

「エレファントマン」で有名になった。あれを見て感動したという人がいるが、その人は当時の宣伝文句にだまされたか、よっぽど変わった性癖の持ち主だろう。私は後者である。前作「イレイザーヘッド」を観るまでもない、この人は「フリークス映画」を撮る人なのだ。「ツインピークス」こそフリークスTVドラマの最高傑作だ(後半はつまらないが)。

しかしデューンは、ただフリークスが跋扈する(するけど)映画ではない。まず美術がモーレツ。リンチが絵でイメージを描いたというそのセットの重厚さ。色。SF設定の細かさがすごい。そもそも原作がかなりすごい。そのすごさは、ある日後輩の美少女たまちゃんが、実はこのシリーズの愛読者だと告白するくらいである。ナウシカの原作とも言われている。

撮った時点で、全長5時間ほどある作品らしく(全長版は未完成)、それを2時間に編集してるものだから、まるで2時間ある予告編のごとく、ストーリーがマッハで進んで行く。んで、「話が分んない」とか言われるらしいのだが、そんな奴は放っておけ。どー見てもわかるぞ。第一、カッコ良きゃいいんだ。SFは数字じゃない、絵だ。と雀鬼・桜井章一も言うだろう。「考えるんじゃない、感じるんだ」と、ブルース・リーも教えている。デューンの絵ほんのひとコマあればすでにスターウォーズ程度の映画は軽く超えている。

とにかく、数字の単位や宇宙船、サンドワーム(王蟲のモデル。)が信じられないくらいでかい。しれっと惑星まるまる1個分の人が筒に乗って引っ越したりする。優等生のお坊ちゃんポール・アトレイデス(リンチ映画の常連、カイル・マクラクラン)が伝説の超人クイサッツ・ハデラッハとして目覚め、2時間後には「向こう側の人」になってしまっているのだ。私は、その「向こう側」が観たかった。デューンはそれをやってる。ちなみに「ブレ・ランのレイチェル」ことショーン・ヤングも、「ピカード艦長」ことパトリック・スチュアートも出てるぞ。スティングもね。んで音楽はTOTOとブライアン・イーノ。ぐわっ。

チャンバラSFばかりを観て、デューンを観た事がないというあなた。私にこれだけは言える。
あなたの人生は貧しい、と。

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