「ハウス」  監督:大林宣彦

いらっしゃい、オシャレちゃん

大林宣彦といえば「時をかける少女」みたいな美少女映画の大御所として、たまにTVなんかに出た時の、そのロリコン助平マインドコントロール教祖的な髭面と、物腰のやわらかさで有名だが、8ミリ自主制作映画や、チャールズ・ブロンソンの「う〜ん、マンダム」というCMを撮って、全国の小学生達の間に大流行させたCMディレクターでもある。そのオタク性質をパンツ脱いでまる出しにした超いいかげんな大傑作、それがデビュー作でもあるこの「ハウス」だ。

そもそもホラーなのだが、爆笑こそすれ毛ほども怖くなる事はない。というより怖がらせようと最初から思ってない。バカバカしくてくだらない物を撮る為にはホラーというプラットホームが一番だ、という世の真理を突いている。清水崇が「怪奇大家族」でやる前に、大林宣彦はホラーを舞台にコメディを撮っていたのだ。それにしても、よくこんな下らない事を次々と思いつくもんだ。ほんと感心する。

池上季実子、大場久美子、神保美喜と聞いただけで鋭い人なら、おっ?と妖怪アンテナを立てるところだが、その少女達には、オシャレ、ファンタ、クンフー、メロディー、などのキャラクターを一言で表す旧時代なニックネームがついており、文字通り死ぬまで本名で呼ばれる事はない。その死に様がまた大笑い。単パン姿の神保美喜が、空手で電話機や電灯と戦いまくってて超ナンセンス。お得意のコマ撮りはバンバン出てくる。背景の空は全部書き割り。しかも意味不明に女優が脱ぐ脱ぐ。

おまけに、挿入歌を歌っているゴダイゴは出てるわ、監督本人は出てるわ、尾崎紀代彦、三浦友和、小林亜星まで出てる。何より、鰐淵晴子がこんなに笑わせてくれるとは思わなかった。いやあ、内容濃いですわ、この映画。

大林宣彦、見た目と違って実はかなりとんがったオヤジなんです。大林監督苦手な人も、確実に見直しますよ。

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