女必殺拳危機一髪
(1974)
監督 志保美悦子 倉田保昭 室田日出男

 

男でドラゴンといえばブルース・リーと倉田保昭の2人がいるが、女ドラゴンはこの広い世界に志保美悦子ただ一人である。

小説や映画の盛り上がるパートの合間に挟まる、説明部分や人間ドラマの演出なんて眠くなるから要らないのになーと長年思ってたら、この映画には無かった。この監督は天才だ。始まる早々志保美悦子がリンゴをかじりながら登場して悪者と戦い始める。10分後には香港から東京に出てきて空港から直にさらわれ、最強の敵、本位田三兄弟の一人と直接バトルだ。そして、あるべきカットすら無い。体当たりでパーンとガラスが割れたら、次のカットでは何故か庭にある鉄棒で既にグルグルと大車輪中なのである。言うまでもない事だが、出演者は全員カンフー使い。それはクラブのママから敵ボスの室田日出男に至るまで例外ではない。殺し屋達が登場する度にいちいち、バーン!と流派と名前の文字が画面いっぱいに映し出される。瞬時にやられる雑魚であろうともだ。その他、肩にオウムを乗せたマッドドクター、宝石しか愛さない毒爪女、たこ八郎の大家さんなど、劇画を超えた劇画調。それらをあまりにも可憐な志保美悦子がバッタバッタとなぎ倒す。あまつさえ倉田保昭も加勢して怪鳥音とともにやはりバッタバッタとなぎ倒す。あっという間にエンディング。勢いがあるというより、勢いしかない。しかも良い意味で。観なきゃ駄目でしょうこれは。

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