「しとやかな獣」 監督:川島雄三

「幕末太陽傳」で有名な、川島雄三という偉大な監督に出会ったのは、大学時代のある日、深夜TVでこの映画を観た時だった。そりゃもう、心底驚いた。だって、無茶苦茶面白いぞこれ!瞬時に、邦画で五本の指に入る!とわかる面白さ。次の日映研の先輩、藤田さんも興奮気味でしたよ。LD出るの待った、探した。

映画作りのお手本としたい作品の1本。
全篇ほとんど同じ室内からカメラが出ず、能の音楽にのって矢継ぎ早な台詞の応酬だけでドラマを進めていく室内劇なんだけど、生命力に溢れる金に汚いやつらが集まって、それをいなす丁寧口調の伊藤雄之助と山岡久乃コンビが上手い上手い。この2人のやりとりだけでも、延々観てられます。

出演者は、父・伊藤雄之助、母・山岡久乃、娘・浜田友子、息子・川畑愛光、家にやってくる人、若尾文子、高松英郎、小沢昭一、船越英二、山茶花究、ミヤコ蝶々、計10人。

原作&脚本の新藤兼人の色も濃厚だが、それを川島雄三がカラっとお洒落に描く。まさに名匠。100年後、200年後に観ても、この新鮮さは変わらないに違いない。

それにしても若尾文子は美しい。美しすぎる。

 

 

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