太陽を盗んだ男

監督

長谷川和彦

これを邦画No.1という人もかなり多かろう大傑作。

簡単に「日本映画離れした」、とか「キテる」、とか言ってしまう人がいるが、この映画以外にそんな形容詞は使っちゃ駄目だ。プルトニウムを盗んだ教師が、自分の安アパートで原爆作って国を脅迫するという、サイコーにもの凄えロック映画。

なんせ、映画が始まるや否や、軍服着た伊藤雄之助が、ブチブチに切れて大暴れ。この時点でひっくり返る。そこからグイグイ惹きつけられたまま、ラストまで。こんな映画があったんだ。

とにかく主役のジュリーが、とてつもなくカッコイイ。ジュリーの映画といえば「魔界転生」「ときめきに死す」「夢二」「リボルバー」ですが、ジュリーはスターのオーラが出すぎてて、妖怪天草四郎はいいんだけど、竹久夢二がいまひとつジュリーにしか見えない。でも、なんか疲れた感じのおまわりや教師をやらすとかなりくたくたセクシー。男から見てもかっこいい。

そして、もう一人の主人公と言ってもいい、宿命のライバル刑事が文太だ。直接対決に入ると、それまでの知能戦が嘘のように、ガッツンガッツン戦う二人。文太がヤクザ通り越して、ゴジラ対キングコング状態になる。冗談抜きで。石井聰互みたいな「対決もの」でもあるのだ。

この世に2作しか生み出していない伝説の男、ゴジこと長谷川和彦監督の天才仕事の片われである。(もう片方は「青春の殺人者」。これまた大傑作。)長谷川監督の尻を叩いて3作目を撮らせる事。それが21世紀に残された、邦画界最大の課題だ。

home